車掌さんのアナウンス

館長の散歩道

先日久しぶりに電車に乗って、西鉄久留米駅から天神に向かいました。そして車中に男性の車掌さんの生のアナウンスが聞こえてきました。利用客へのお礼にはじまり、次の停車駅の紹介や所要時間などを、丁寧に的確に伝えてくれます。その温かい語り口は、たどたどしいのですが人間味に溢れていて、聞いている私たちも穏やかな気持ちになりました。その一方で近年急速に進化しているのが、ニュースのAIアナウンスです。NHKがAIを導入したのが6年ほど前だそうですが、今では当たり前のようにテレビからAIの音声が聴こえてきますね。当初は違和感を持つ人も多かったのですが、もうすっかり耳が慣れてしまったようです。また、航空会社のアナウンスもご多分にもれずにAIに取って変わられつつあり、CAの皆さんの協力によって何とか生のアナウンスは受け継がれているそうです。家に帰ってAIのアレクサに、「ただいま!」と言えば、即座に「お帰りなさい!」と返事をくれるこのご時世。効率や生産性ばかりに目が行きがちですが、時には車窓の景色を眺めるゆとりも持ちたいものです。相手の心に届く柔らかい声とことばを大切にして。