先月、サザンクスでは市民えんげき表現講座を開講しました。21歳から75歳までの幅広い年齢の皆さんとご一緒に、僕自身が発声の基礎からじっくりと学びなおす機会を頂いています。好奇心旺盛な方々との時間は、楽しくて刺激的です。近ごろ、発声や言葉に関する講演会やワークショップなどでよく聞かれるのが「声帯は年と共に衰えていくのですか?」という質問です。そこでお伝えするのが、ドミンゴさんの近況についてです。プラシド・ドミンゴさんはスペイン生まれのオペラ歌手で、世界の三大テナーの一人として知られています。その美しい容姿と歌声は多くのファンを魅了してきました。そして今年、彼は久しぶりに来日コンサートを行いました。年齢はなんと1941年生まれの81歳。その歌声は益々健在!聴衆の喝采を浴びたそうです。ドミンゴは天才だから衰えないのは当たり前と思いがちですが、オペラ歌手の多くは60代が最も脂がのる時だと聞いたことがあります。年だからといって諦めることはないのですね。プロでもアマチュアでも、声を出すことは必ず心と身体を元気にしてくれます。さて余談ですが、イタリアのオペラ劇場には歯科医が常駐しているという話をご存じですか?声の響きが強すぎて、オペラ歌手の前歯が突然抜け落ちたりすることがあるからだそうです。嘘のような本当の話!プロの声の凄さを感じずにはいられませんね。