このところ、大谷翔平選手の野球場での行動について、テレビやSNSに沢山の賞賛の声が上がっていますね。その行動とは、グランドのゴミくずを拾うこと。四球で一塁へ向かう時やブルペンに戻る途中などでゴミを見つけると、さっと拾ってユニホームのお尻のポケットにしまうのです。その動きのさりげなさ、軽やかさに目を瞠りました。豊かな人間性が垣間見えた瞬間ですね。ゴミ拾いの達人は他にもいます。俳優の「浅野和之」さんです。浅野さんは、三谷幸喜さんの舞台や映画などで活躍する名脇役で、実は僕が学生時代から尊敬していた先輩です。授業で見せるマイム表現の巧みさは、当時の学生たちが舌を巻くほどでした。若き日の浅野さんが東京の京王線の車内で見せた行動は、網棚の上に捨てられた新聞紙をゴミ箱に捨てる事でした。リュックを背負った浅野さんが、後ろの車両から速足で現れて僕の座席の前を通り過ぎ、次々と網棚の新聞紙を手に取って仙川駅で下車。ホームのゴミ箱に新聞紙をポンと投げ入れ、出口への階段を駆け上がり、またたく間に見えなくなりました。その洗練された動きの恰好良さ!まるで風のようでした。さすが名選手と名俳優ですね。お見事!