はじめに。

実施を予定していた事業 実施した事業
4/26〜通年 小学校アウトリーチ事業
(演劇、ダンス体験)
5/3〜31 こども・あーとギフト
(YouTube配信)
6/11〜通年 小学校アウトリーチ事業
(演劇、ダンス体験)
7月 幼稚園・保育園アウトリーチ事業(パントマイム) 8月 パントマイム映像製作、DVDを園にプレゼント
7月 幼稚園・保育園アウトリーチ事業(九州管楽合奏団) 7月 幼稚園・保育園とサザンクスをオンラインでつなぎ双方向に交流可能なコンサート
7月末~8月 夏休みわいわいフェスティバル(子ども向け) 8/8~8/16 夏のちょこっとフェスティバル(子ども~大人まで)
8/1 九管♡ファミリーコンサート with パントマイム 8/1 九管♡ファミリーコンサート with パントマイム(ライブ配信あり)

新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年春、全国各地の公共ホールと同様に、私たちサザンクス筑後も動きを止めました。

当施設が筑後市内の子どもたちに提供してきたアーティストたちと直接出会える出前授業、アウトリーチ事業もストップしました。
サザンクス筑後が2011年度(平成23年度)からスタートし、近年は市内小学校の全11校で年間約100コマを実施してきた生の芸術にふれる場。
協力してくれていた芸術家たちも窮地に立たされました。

これまで時間をかけてゆっくりとともし続けてきた芸術の火が、今消えかけようとしていることに心を痛めました。
同時に熱い思いが、ふつふつと胸に湧いてきたのです。
芸術家が人生をかけて感動を届けてきた豊かな文化のともしびが全国で危機にあるのなら、真っ先に支援に動くべきは公共ホールじゃないか、と。
サザンクス筑後から芸術復活ののろしを上げよう、と。

4月下旬、九州各地のアーティストに連絡を取りました。
休校で家にいた子どもたちに向けてYouTube発信する動画「こども・あーと・ギフト」の作成をお願いしました。
すぐに落語、演劇、音楽など16作品が集まり、会えない子どもたちと芸術への熱い思いがあふれた映像の数々に心が震えました。

その後も、パントマイムを映像に撮り、DVDを製作して、本来直接うかがうはずだった幼稚園・保育園に配ったり、九州管楽合奏団のオンラインコンサートを開催したり。
8月には参加者を少人数に絞って「夏のちょこっとフェスティバル」を開きました。

旧知のアーティストからは「あの時もらった熱が今も私のガソリンよ」と、言ってもらえました。
コロナ禍の緊張状態からしばし解放され、例年以上に目を輝かせながらダンスを楽しむ子どもたちを見て、アウトリーチ事業を継続して本当に良かったと感じています。

今できることから芸術のともしびをともし続けよう。
そんな思いで芸術家たちとともに試行錯誤し、駆け抜けてきた2020年度のサザンクス筑後。
子どもたちとアーティストたちの心潤う時間の架け橋、そして芸術の希望ののろしとなるべく取り組んだ、コロナ禍での事業を紹介します。